"NYLON 9月号(2015)" カイ インタビュー訳
-今日やってみたいスタイルはありましたか?-
カイ:雑誌撮影がすごく好きです。これといってしたいスタイルはないですが、ただ楽しんで撮影しなければと思っています。色々なコンセプトが好きで、どんなコンセプトでもいいので多種多様な撮影をしたいです。1年に数回しか撮らないので、『22歳のカイ』『23歳のカイ』みたいな感じで記録するように撮るのも面白そうです。もしくは、日常生活をグラビアのように撮ってみるのも良さそう。
_尊敬する人をオマージュするなら?また、違う何かになりたいと思った事はありますか?
カイ:そういうのは考えたことがありません。僕は穏やかなのが良いんです。ただのカイ。僕自身でいることが好きなんです。いつもステージでは屈強な姿でいるのでね。
_どんなものを見てどんなものから影響を受ける人ですか?
カイ:選り分けることはせず色んなところから影響を受けます。道を歩いてるときに見えるものまで全て。さっきも撮影で着替えていたときに仮面が落ちていたんですが、それを見ながらも色んなことを考えました。歌を聞いたり、一人でいるときに思った事などを大切にしています。
_よく映画を観て本も沢山読まれますよね?
カイ:主に小説を読みます。自己啓発書は読みません。面白くないからです。小説は想像できるという点が好きです。映画は観えますよね。お話が目で見えて視覚的に確かなことを観るものだけど、本は読みながら想像することができるからです。小説の中で、同じ人物の描写でも人によって違う姿を思い浮かべる点が面白いです。そういう点から本を沢山読むんだと思います。特に推理小説、ファンタジー小説、イメージを起こすものたちです。映画はとくにセレクトせずよく観るほうだけどメロドラマ系は観ないです。
_それは何か特別な理由があるんですか?
カイ:観てられないんです(笑)面白くないです。睡魔がきます。それでも、どんな映画だろうと観れば得られるものがあります。中世の衣装を見て構想を練りステージ衣装に使ってみたり。その人物が苦しむ状況や背景から影響を受けて、ダンスの動作を作ってみたりします。
_季節や天気にも影響されますか?
カイ:されます。あまり大きな差はないですが。普段から感情の起伏が激しいほうではないので。夏よりも冬が好きですね。
_なぜ冬の方が好きなんですか?
カイ:1月に生まれました。冬は寒いから重ね着をしますよね?その暖かみがあります。暑く感じるのとは違う暖かい感覚。街で人が暖かく着込んでいる姿を見るのが好きです。
_大人っぽいという言葉をよく聞きませんか?
カイ:よく聞きます。年齢通り友達と同じものが好きなのに…。幼い頃から練習生として過ごしてきて自然に悟った事が同年代の友達に比べると少し多いんだと思います。だからといって僕の考えを強要したり、『こうやってしないといけないんだよ』『これが正解なんだよ』というような気持ちはありません。
_幼い頃から団体生活をしたからといって誰もが大人になれるわけではないでしょう。
カイ:とてもおとなしい子供でした。言葉もあまり発さなかったけど会社に入ってどんどん明るくなっていきました。周りに面白い人や面白い友達が多く、みんなに合うようにと一緒にお話をしているうちに性格が変わりました。依然として感性はさらに大きくなり、自責もたくさん感じて、想いや考えが多く眠れないこともあります。
_どういう日に眠れなくなりますか?
カイ:大事な機会でダンスをミスすればひたすら自責の念に駆られます。そうしていつのまにか忘れまた違う考えに嵌り込みます。『僕はなんで生まれたんだろう?』と。小学生の頃は、僕の目で世界を見るという事がすごく不思議でした。中学生の頃は、『こんなに多くの人がいる中で、あの人でもなくこの人でもない僕なの?』『なんでこんな僕の目で世界を見ているんだろう?』と。高校生になると『僕が生まれたのには理由があるんじゃないかな?』という考えに溺れました。今は、僕はなぜダンスを踊り、僕はなぜ歌をうたうのか、ということに対して没頭しています。こういった思想が尾を引き眠れず夜が明けていくんです。
-もしかして、他によく言われる言葉は”セクシー”ですか?-
カイ:意外にも明るい?優しいという話を聞いたりします。実際に優しいというより、険しく冷たいように見えるんだけど仲良くなればそういう人じゃないのが分かるという意味でです。みんな僕に直接セクシーだなとは言ってきませんが聞くと嬉しい言葉です。
_みんなが見ている姿と自分の姿がどれくらい同じでどれくらい違いますか?
カイ:人によって見方が違いますよね。僕が踊るダンスだけどある人は主に線を見ていて、僕の感情を主としてみる人もいれば、僕の力を見る人もいます。僕はみんながそれぞれに思い描くカイになりたいです。見る人の考えを自由に置いておきたいです。
_意外な一面はありますか?
カイ:僕は大雑把です。物をよく失くすし、ご飯を食べるときもよくこぼします。それからギャグ本能があります。ありえない状況でも無理やり押し通して言葉で笑わせるんです。親しい人に対して自然に現れる一面ですね。誰かに無理やりやらされると出来ません。
_カイは舞台から離れていても常にステージについて考えているようですね。
カイ:あまりに考えすぎてたくさんストレスを受けました。気にすればするほど気に入らなくなって。気にせず何も考えないで歌って踊ろうと決心しました。間違えたらダメ。一つ一つ厳しくしつつ何も考えず楽しんでやれば、むしろさらに良くなるんだと思います。
_ステージはいつも新しいですか?それとも完全に慣れた空間ですか?
カイ:どちらもあります。総じてステージの上では居心地が良く余裕があります。だけどそれは身体を動かすことがラクという事であって、感じる感情は毎回新しいです。本当に幸せだし、楽しく踊るダンスがあって、感情を伝えるために踊るダンスがあります。
_カイのダンスが特別なのは何かを伝えているように見えます。
カイ:コンサートのステージでは歌の雰囲気と歌詞を考慮して。ソロステージでは僕の感情を込めて踊ります。タイトル曲は振り付けも正確に決められていて、他のメンバーとも息を合わせます。歌詞に比重が大きい場合ソロステージでは何も制約がありません。悲しい気分だとダンスも悲しくなり、悲しくても明るく踊れば見ている人にとっては明るい感情が伝えられるんです。
_ステージは思い通りですね。
カイ:ダンスが面白いのは、組み立てやよく出来たパズルと同じであるからです。単純に振りつけを習って踊るのではなく、腕を上げて下ろすごとに意味があるんです。それを考えているからだと思います。
_全てのダンスを探求しようという欲はありますか?
カイ:征服するつもりでダンスを踊りたくはないです。表現したいことがあるときに一つずつ出して使う道具のように利用できれば良いんですけどね。
_他のアーティストの公演を観に行ったりしますか?
カイ:あまり時間が無いです。幼い頃はバレエの公演をよく観ました。
_youtubeがあるじゃないですか!
カイ:そうですね。youtubeで観ます。youtubeはほんとにいつも見ています。ダンスだけでなく面白動画もよく見ます。まず、ダンス動画は膨大な量を見ます。有名なダンサー、でなくとも小さな公演やミュージカル、昔の映画<雨に唄えば>のダンスを踊る場面を見たりもします。おもしろい外国人の面白いダンスや歌っている動画も好きです。
_ミュージックリストも気になります。
カイ:EXOの歌を聴きます。ははっ。最近、歌の練習をたくさんしています。この1ヶ月間、韓国の音楽家の歌をよく聴いていました。G.soul、ナ・ユングォン、キム・ヨヌ先輩の歌です。いつも好んで聴くのはジョン・レジェンドやTravis Garland、Boyz II Menです。
_歌にダンスに関心が大きくなる時期なんでしょうか?
カイ:先日、楽園商店街でオーディオカードとマイクを買ってLogicで録音しています。まだ完璧に歌を作るのは出来なくて、声を綺麗に整えてボリュームをチェックするくらいですが。ストレスを感じない程度に遊び感覚で楽しくしています。
_誕生日が1月14日ですよね。何の日か知っていますか?
カイ:ダイアリーデー(恋人に記念日などを記した1年用の手帳をプレゼントする日)ですか?全然知らなかったです。ホワイトデーとあと何デーがありましたっけ?バレンタインデーと…こういうのしたことが無いんです。しませんでした。
-記念日はお祝いしないタイプですか?-
カイ:誰かが僕の誕生日をお祝いしてくれたら僕もお祝いしようとします。祝ってくれなくても気にはしません。特に重要だと思わないです。
_誕生日は何して過ごしますか?
カイ:デビューしてからは1日も抜けることなく仕事です。ハハッ
_いま一番行ってみたい場所はどこですか?
カイ:元々8月1日から11日までスケジュールが無ければポーランドに行こうと思ってました。そこに有名なダンサーたちが来てダンスを踊るらしいんですよ。ワークショップでダンスを習おうかと思ったんですが、結局行けませんでした。
_家族と行くのがいいですか?友達と行くのがいいですか?
カイ:どちらも良いですね。友達と行けば楽しいだろうし、家族と行けば安らげるだろうし。家族と遊びに行くなら休養地へ行くと思います。友達と行くなら楽しい場所へ行きます。どこか怖い所へ行って恐怖体験をしてみるのも良さそうですね。
_今すぐにでも乗り越えなければならないことはありますか?
カイ:常に僕自身を乗り越えなければならないです。昨日の僕。どれだけ良いことがあっても、僕はそれを忘れてまた良いことをしたいです。物質的なことや目に見える成果ではなく、自分が納得できる時間を過ごしたいです。活動は楽しいし幸せだけど、一日一日成長していく自分の姿を見る時も幸せなのです。昨日の僕よりも今日の僕がもっと上手に歌うことが出来れば…もっと上手にダンスが出来ればなと思います。
_生まれ変わってもカイになりたいですか?
カイ:はい。面白いから。幼い頃にバレエを習ってバレリーナにもなりたいけど、カイをすると思います。もう少し良いカイとして生まれるといいなぁ。
他の誰かがしていることには何の興味も無いようだった。
生まれ変わってもカイになりたいというカイは”面白い”という言葉を度々発した。
<唯一無二、カイ>
”EXOのカイ、単独表紙”。読者たちと同じくらい編集部も賑わっていた。創刊7周年を迎え特別なカバーを作りたかった編集部は、前から密かにカイとのランデブーの為に水面下で作業をしてきた。新しいアルバム活動と海外スケジュールで忙しい日々を送っているカイと劇的に撮影の約束が取れた日、カイは誰よりも先にスタジオに到着して丹念に撮影の準備をしていた。ヘアメイクを終えて、誰もが着こなし辛いアバンギャルドなシルエットのストライプスーツを着てカメラの前に立てば、スタッフはただ一言を洩らすしかなかった。”格好いい!”スラリと伸びた身体に小さな顔の素晴らしい比率はもちろん、水が流れるように自然なポーズで一瞬の遅れも取らない満足なカットを創り出す卓越したセンス。(まさに一番最初に撮ったカットが表紙として指名された。)子供のように素直な笑顔を見せたかと思えば、強烈な視線を送る姿に感嘆が続いた。初の単独雑誌撮影という言葉に圧倒されることなくあっという間に撮影が終わり、インタビューの間もスタッフはカイの魅力から抜け出せないでいた。落ち着きながらも夢中で考え慎重に話をするカイからは”善い青年”のオーラをひしひしと感じた。結論を言うなら、大人数の中でも光っていて、流れていても輝く青春の姿を収めるということは並大抵の楽しさではなかった。カイがインタビューで言ったように、これから”23歳のカイ””24歳のカイ”の姿を<NYLON>で収めることを期待している。
〔 訳:xiu0348 〕
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