"GRAZIA 1月号(2017)" シウミン インタビュー訳




世界中どんなところにもいるEXOのファンだけでなく、顔に一瞬ライトが当たるだけでアイドルに興味のない一般人までもを瞬く間に引き込んでしまうというこの男。最高のアイドルグループEXOの長兄であり、EXO初のユニット"EXO-CBX"のメンバーで、さらには俳優として初出演となる映画の撮影だったりと誰よりも忙しく2016年を送ったシウミン。ここまでは事前に知っていた情報である。撮影とインタビューを終え新しく知った事は些細だが少し意外な一面だった。わんちゃんや猫ちゃんに見せる天真爛漫な笑顔と、冷静で思慮深い言葉たち。人気絶頂の最中、いま初めてスタートラインに立ったと言う。しなやかで力強い顔立ち。やはり彼は<GRAZIA>2017年の幕開けMan Special Issueの表紙モデルとしてピッタリの男であった。 






       XIUMIN'S TASTE


■アメリカーノ vs ラテ

 アメリカーノ。

■サッカー vs 旅行

 サッカー。

 旅行の楽しさをまだ知らないんです。

■ねこ vs いぬ

 ねこ。

 幼いころは怖かったけど今はもう大丈夫。

■散歩 vs ランニング vs ジム

 ランニング。

■マンドゥ vs モカパン

 うわぁ、これほんと決め難い。ジャンルは違うけど僕にとってはどちらも意味があるから…でもモカパン!





_おめでとうございます。先日のMAMA授賞式で今年もEXOが大賞を受賞されましたね。

シウミン:ありがとうございます。本当にすごく幸せでした。



_客観的なデータを見ただけでも強烈な候補者だから内心は予想していると思ってましたが、皆さん胸を撫で下ろし涙を堪えているように見えたのが印象に残っています。

シウミン:実のところ今年は検討がつかなかったんです。過去3年間に渡って受賞したときも、「僕たちは本当にたくさんの愛を貰っているんだな…それに運までも見方してくれてるんだなぁ」と思っていたんです。それなのに4年連続だなんて正直そんなことが有り得るのか?という気持ちでした。メンバーみんな同じ気持ちだったはずです。



 _MAMAベストアジアンスタイル賞で名前を呼ばれたとき皆さんすごく驚かれてましたね?

シウミン:僕たちすごくリアルな表情でしたよね?まったく期待していなかった賞なんですよ。控え席では会場の音がよく聞こえなくて、僕たち別の話をしてたところに突然「EXO!」って聞こえたのでめちゃくちゃ驚きました。



_かと思えば先週は東京ドームのステージに立ってましたね。

シウミン:昨年に続いて東京ドームに立つことが出来たのはとても大きな意味がありました。しばらく年月が過ぎたころに思い返してみても大きな自信になることは間違いないです。



_東京ドームのように圧倒的規模のステージに立つときはやっぱり挑む姿勢や心づもりは変わるのでしょうか?

シウミン:はい。とくに東京ドームは僕たちがこれまでしてきた公演の中で最も大きな規模なので緊張しないわけがないんです。まずは、あれだけの人たちのエネルギーを全身で感じとらないといけないのでいつもより力が入るといいますか。最大限パワーを出せるように心身ともに武装しました。万が一メンタルが揺れそうにでもなれば本当にしんどくなっちゃうからです。



_今でもステージに立つと緊張しますか?

シウミン:もちろんですよ。どんなステージであろうと緊張感を持たずに立つなんてありえないです。基本的にミスをせず完璧なパフォーマンスを見せたいという欲があるので。どのアーティストも同じ考えだと思いますよ。



_ツアー経験を積んでいきながら感じる変化はありますか?

シウミン:学ぶことがたくさんありました。何事も身をもって経験してみることがとても大事だと。昨年の東京ドーム公演ではあまりにも緊張しすぎて本当に足がブルブル震えたんです。おまけに夜も眠れませんでした。



_公演前日にですか?

シウミン:いえ、公演当日です。公演を終えてもあの物凄いエネルギーがずっと残っていて、一日中心臓がドキドキしていました。あのときに比べると今年はステージの上でずいぶん楽しめた方ですね。



_では、最近そんな風にドキドキしたことは他にありますか?

シウミン:あ、チェンベクシ!僕とベッキョンそれからチェンでEXO-CBXとしてユニット活動をしましたが、初めての挑戦だし3人ということもあってか妙に緊張感とプレッシャーがありましたね。そのユニット初ステージがここ最近で一番ドキドキしましたね。



_EXO-CBXのユニットグループ準備はいつからしていたんですか?

シウミン:計画は今年の初めからありましたが時期を見据えつつ9月ごろから本格的に始動し始めました。



_人数の多いEXOのアルバムよりも3人でのほうが積極的に意見が反映されそうですね。

シウミン:そうですね。今回のユニット活動では僕たちがほんとに好きなことだけで色を作っていくシステムだったんですよ。いろんな意見を出し合ってとても楽しく制作できました。



_まるでパーティのような、聴けば聴くほど楽しくなりました。

シウミン:でしょ?少しファンキーなイメージを与えたかったんです。リズミカルで洗練されていながらも楽しい曲。歌もパフォーマンスもコンセプトの面では大成功だったと思います。



_個人的にはドラマ<月の恋人>のOSTである'君のために'のようなしっとりしたバラードがタイトル曲なんじゃないかと予想していたんですが意外にも真逆でしたね。

シウミン:曲候補のなかにはバラードもあったんですがアルバムのコンセプト上、また次の機会にとなりました(笑)



_曲を決めるとき意見はちゃんと纏まりましたか?

シウミン:チェンもベッキョンも基本的には僕と同じ考えを持っていて。追求する目標といいますか、EXO以外の分野でやってみたいことがピッタリ一致するのでうまく合います。なのでユニットを組んだんです。



_追求する目標とは?

シウミン:3人共、ソロ活動をするにしても音楽を念頭に置いているんです。演技も少し経験してはみたものの、僕は今はまだ歌手活動に意欲が湧きます。シウミンにとって歌手活動はここがスタートラインだと思っています。



_ユニット活動を締めくくりつつ次の活動についても話しましたか?

シウミン:今回の活動を通して僕たち3人みんなとても楽しめたんです。「俺たちずっと続けてくよな?」なんて言葉はいらないくらいに。EXOとしての活動をして残った時間でチェンベクシの活動をする。僕たちはそう決めたので、たぶんこれからもちょくちょくお会いできますよ。



_活動期間が短くて寂しくはない?

シウミン:僕たちの色を見せられたということだけでも満足しています。EXO-CBXがデビュー出来たということだけでただただ幸せなのです。



_EXOはデビュー1年目を除いて連続で大賞を受賞し様々な記録を更新していますよね。シウミン自身が思う'EXO'らしい点とはなに?

シウミン:まずメンバーの色がそれぞれハッキリしています。各自のこういった個性が混ざり合う点じゃないかな?だけど、その中でも一番色が薄いのは僕ですね。



_意外です。本当にそう思っていますか?

シウミン:はい。唯一僕だけポジションが明確に決まっていません。メインダンサーでなければメインボーカルでもない。背が高くスラっとした外見でもないしラップ担当でもない。僕はどのポジションなんだろうか…とたくさん悩んだ末、色が無いというのが僕だけのカラーなんだと思います。その言葉通り、どのメンバーと居ても違和感なく過ごせるというのが僕の長所だということです。サブでもあり、一緒にいるとプラスアルファーになるサポート的な存在なんじゃないかな。



_とは言いつつEXO沼落ちの代表と呼ばれてますよね?

シウミン:そんなポジションは大変光栄ですよ(笑)





_実際に飛び込んでみて初めて知る難しさというのがありますよね。歌やダンスも同様だと思いますが最近はどうですか?

シウミン:練習生の頃から数えると、歌やダンスをやり始めて8年くらいになります。僕の周りをみても時期は違えど誰しもがスランプを経験しています。もちろん僕も一度スランプを経験しましたが今回チェンベクシの活動をしながら自信もついたし、「こうすればいいんだな!」という道も見えました。なのでまたさらに成長した姿を見せられると思います。



_具体的には?

シウミン:まず、基盤は歌手なので歌に一番気を使いますが、チェンベクシでは1曲につき30%以上パート割りがあるので最初は簡単には消化しきれませんでした。それでもひたすら練習を繰り返してメンバー達と話し合ってると、ボーカル面でどうすれば良くなるのかという道が徐々に見えはじめました。今回の活動をしながら実はすごくドキドキしたんです。僕の歌声を初めてちゃんと聴かせられるということに緊張しちゃったみたいです(笑)



_良いきっかけになったみたいですね。

シウミン:はい。今回のチェンベクシの活動は歌手としてのモチベーションにもなったし、またさらに成長できた機会でもありターニングポイントになりました。



_ダンスは今でも楽しい?関節は痛くない?

シウミン:徐々にキツくなってきてはいますね…それでも僕は、ダンスはまだまだついていけるし上手くやれる自信があります。いまのところはね!



_さっきから思ってたんですが、言葉のイントネーションというか喋り方がものすごく可愛いですね。テレビ用ではなく普段からこの喋り方なんですね。

シウミン:そうですか?(笑)それでヌナたちが僕のことを…ハハッ



_ユニット活動だけでなく今年はスクリーンデビューまで、キャリアが確立されたと思いますが挑戦された感想は?

シウミン:初めて映画に挑戦してみましたが演技の面白さは確実に感じられました。だけど、グループの一員として歌手活動をするときとはまた違った責任感やプレッシャーがありました。完全に一人でやり遂げないといけないじゃないですか。いらぬ迷惑をかけてしまわないように頑張りましたが、いざ出来上がりをみると惜しい部分が多くて…



_初めての演技といっても良い反応でしたよ。

シウミン:なので「基本に忠実にしてたんだな」と思いました(笑) まあ上手ではなかったですが。



_個別に演技のトレーニングを受けたりしましたか?

シウミン:何にしてもトレーニングを受けるにはスケジュール的に余裕がなかったので、当時も先生を呼ぶより監督とお話をしながら練習しました。結局は現場でも監督と息を合わせることが重要ですから。



_その戦略は正解でしたか?

シウミン:だと思います。



_ソロ活動をするとき普通は本名を使うと思いますが、映画のクレジットにはシウミンと流れていました。ご自身で決められたのですか?

シウミン:はい。初の映画出演だったのでシウミンにしました。





_EXOも、もう5年目のグループですよね。そろそろ個人活動が増えてくるころだと思いますが、シウミン個人としての大衆性や方向性について考えたりしますか?

シウミン:そういうことを考える時期に差し掛かってきてはいますが、まだ今はEXOに甘えてしまいますね。EXOがあまりにも多くの愛を貰っているからか、ソロでもそこまで行けるのだろうかという悩みだけが深くなってしまって…だけど、すべては一からコツコツと始めれば出来ない事なんてないんだとも思います。あ、でも今はまだ難しい課題ですけどね。



_番組などを見ていてもとても物静かにみえます。もともと感情の起伏が大きくないのですか?

シウミン:はい。感情の起伏が激しいタイプではないです。落ち着いているといえばそうですが、全部に集中しようとしてよりそう映るみたいです。



_言葉数も少なそうですがお喋りになるときの話題はもしかしてサッカーですか?

シウミン:いえ、僕は言葉数が少ないわけではなくて。よく喋るけど未だにあがり症があるので、できるだけ無駄に喋らないようにしてます。とくにカメラの前では。たくさん喋ればそれだけ失言も付き物なわけですから。僕は外国語はもちろん、まずは韓国語から練習しないといけないですね(笑) 何かあるとすぐ顔に出ちゃう性格なので。



_慣れるのに時間がかかるタイプなんですね。

シウミン:はい。簡単に心を開けません。



_でもEXOの中では名言製造機らしいですね。

シウミン:あぁ…よくご存知で…。



_最近もライブで名言を残しましたか?

シウミン:最近はしてませんね。僕はしつこくて見え透いた事はキライなタイプなので。それよりも新しいことを見せたい欲があるので、名言ブームは終わりました(笑)



_臆病で穏やかな長兄というイメージですが、これだけは妥協できないということはありますか?

シウミン:うーん…メンバーや周りの人たちにはいいんだけど、僕自身に妥協するというのが難しいですね。どんなことも自らが受け入れられなければ先に進めないですよね。何事も広い心で受け止めようと、僕の中で妥協を試みようと努力します。ちょっと説明するのが難しいですね。



_さっき二択の質問で旅行とサッカーならサッカーを選ばれてましたよね。もちろんサッカーがお好きだと聞いてはいましたが、忙しく過ごしてらっしゃるのでなんとなく旅行を選ぶと思ってました。

シウミン:(笑)僕はまだ旅の醍醐味を知らないんです。これまで生きてきたなかでどこかに行ってみたこともないし、一人で旅をしたこともないです。何をすればいいか分からないから面倒くさいんですよね。それなら好きなサッカーをして美味しいお肉を食べてるほうが余裕を持もてるというか。ささやかな楽しさです。



_目の前にあるものからクリアしていくタイプですか?それとも計画を立てていくタイプですか?

シウミン:僕は計画的な人生を歩んでいくタイプです。計画が上手くいかないとそこからどんどん崩れていっちゃう。どうにか計画通りにしようと努力します。臨機応変にできない人間です。パンパンのスケジュールを見ながら僕だけの時間を計画しますね。



_では、年末ですしもう来年の計画もされてますか?

シウミン:そうですね。これまでにも溢れんばかりの愛を貰ってきましたが、来年こそは本当のEXOを見せつけようじゃないか!どこまでいけるかやってみよう!という気持ちでしょうか(笑)



_すでに天の果てまでいってるじゃないですか?まださらに進むつもりですか?

シウミン:もちろん。必ず上昇せずとも僕たちが成せる何かがきっとあるはずです。とにかく、来年はEXOの活動に力を入れようと思っています。もちろん僕の心のなかにはチェンベクシの活動もしたいという希望事項も共存していますが。まあどちらもEXOですから。



_個人的にEXOのウィンターアルバムが好きなのですが、もうすぐ発売されるそうですね。

シウミン:実は、僕たちメンバーもウィンターアルバムがすごく好きなんです。自分たちの曲だけどよく聴いてます。これは季節の影響が大きいみたいですね。寒いときに心をあたたかくほぐしてくれる心地よい感性溢れるメロディーが多いので好きになるしかないです。すでに録音は終えましたが、前回と似てはいるもののジャンルは違います。今回の曲はもっと気に入るはずですよ。



_終始一貫して自信に満ち溢れた姿が素敵です。

シウミン:あたりまえじゃないですか~僕は常にEXOとして自信に溢れてますから(笑)




〔 訳:xiu0348



-宇宙からやって来たひとたちのお言葉記録-

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